健保だより2001年7月号

● 健保だより 2001年7月号

・平成12年度の収入支出決算 ・算定基礎届の提出は8月10日
・私たちの健康保険制度を守りましょう ・介護保険を上手に利用しましょう

平成12年度の収入支出決算

  一般勘定(健康保険) 介護勘定(介護保険)
収入総額
13億2,233万円
3,126万円
支出総額
12億8,997万円
2,984万円
収支差引額
3,236万円
142万円

 当健康保険組合の平成12年度決算が、去る6月28日開かれた組合会で承認されましたのでお知らせいたします。
 12年度は予算編成時から厳しい状況のなか、少しでも財政の健全化を図るよう総力を挙げて取り組んだが、他制度へ拠出する老人保健等拠出金が前年度比105,565千円(22.6%)の激増が響き実質的に約100,000千円の赤字となりました。
 収入では、みなさんと事業主に納めていただいた保険料が、収入全体の87.5%となっております。
 一方、支出では、みなさんやご家族の方々が病気やけがをしたときの医療費、各種現金給付費等に充てられる保険給付費は支出全体の45.5%、老人保健等拠出金は44.4%占めており、平成12年度は実にこの合計額のみで保険料収入額を上回るという異常事態となってしまいました。なお、健康診査を中心とした保健事業費は、前年度比4.5%の伸び、支出全体では4.8%となっております。
 また、介護勘定は健保法の改正遅れから収入不足が生じ、一般勘定から3,000千円の借入処置を行っております。実質は1,576千円の赤字であり、13年度において返済整理する扱いとなっています。

決算残金処分内訳
一般勘定
別途積立金
32,358千円
介護勘定
別途積立金
1,424千円

決算概要

(単位=千円)
科目 収入決算額 科目 支出決算額
保険料 1,157,650

87.55%

事務費 43,860 3.40%
調整保険料 16,577 1.25% 保険給付費
法定給付費
附加給付費
586,686
584,324
2,362
45.48%
45.30%
0.18%
繰入金 133,092 10.06%
拠出金
老人保健拠出金
退職者給付拠出金
572,697
468,813
103,884
44.40%
36.34%
6.81%
国庫補助金収入 0 0.00% 保健事業費 61,791 4.79%
財政調整事業交付金 7,988 0.60% 財政調整事業拠出金 16,725 1.30%
連合会費 1,037 0.08%
国庫負担金収入・他 1,199 0.13% 積立金繰入 1,962 0.15%
その他 5,192 0.40%
雑収入 5,829 0.44% 還付金 27 0.00%
合計 1,322,335 100.00% 合計 1,289,977 100.00%


・算定基礎届の提出は8月10日!!
 ~毎年決め直す定時決定~

 被保険者のみなさんが実際にうける報酬(給料)と標準報酬との間に大きな差が出ないように毎年5月、6月、7月の3ヶ月間の給料の平均額をもって標準報酬月額を決定し、保険料が決められます。
 これを定時決定といい、事業主は8月1日~10日迄に算定基礎届を提出し、10月から翌年9月までの1年間この標準報酬月額が適用されます。
 この月額は保険料計算や保険給付を受ける際の基礎となります。

8月1日現在の被保険者が届出の対象
保険料の計算方法

 届出対象者は、8月1日現在の被保険者の方が、すべて届出の対象となります。
 ただし、次に該当する人は対象となりません。

1. 7月1日以降に被保険者になった方
2. 8月、9月、10月のいずれかの月に随時改定(月額変更)が行われる方

 

 標準報酬月額は給料の額に応じて39の等級に分け、「標準報酬等級表」に個々の給料をあてはめて決められます。
 この標準報酬月額に保険料率(85/1000)を乗じた額が保険料となります。

(例) 5月6月7月に支払われた給料の平均額が305,000円の人の場合
標準報酬月額は18等級の300,000円で
300,000 x 85/1000 = 25,500円
事業主と被保険者で各々12,750円の保険料となります。

介護保険該当者は、他に介護保険保険料が10.4/1000(個人負担分5.2/1000)掛かります。

給料が大幅に変わったときは随時改定(月額変更届)

 保険料は、定時決定により1回見直し、常に実際の給料に応じた額に調整されますが、昇給や降給などによって給料が大幅に変更された場合は、次の定時決定を待たずに標準報酬の改定が行われます。
 これを随時改定といい、事業主は「月額変更届」により届出します。
 この随時改定は、昇給や降給、給与体系の変更などで固定的賃金に変動があったときは、変動にあった月から3ヶ月間(支払基礎日数が20日以上)の給与の平均額により、新たに標準報酬額を算定します。
 その標準報酬月額が従来のものと比較して2等級以上変更した場合、4か月目から保険料を改定するものです。

固定的賃金 =
月給、日給、時給、役付手当、家族手当、住宅手当、勤務地手当、通勤手当、基礎単価、歩合率など
非固定的賃金=
残業手当、能率手当、宿・日直手当、精勤手当、皆勤手当など毎月稼動によって変動のあるもの

私たちの健康保険制度を守りましょう
 ■老人保健拠出金制度はもう限界■

 健保組合はいまは大変な危機的状態にあります。不況で保険料の収入が伸び悩んでいるうえに、医療費の増加で毎年支出が増え続けているからです。

 医療費の増加には医療従事者の人件費増や医療技術の進歩などいろいろな原因が考えられますが、何といっても最大の原因は老人医療費の増加にあります。

 高齢化による老人数の増加に伴って医療費が増えることはある程度やむを得ません。

 問題は老人人口の伸びを上回る勢いで老人医療費が伸びていることにあります。もともと我が国の老人医療費は諸外国に比べて高く、一人当たりの医療費は若年者の約5倍にも達しているのが現状です。だれでも歳を取れば病気がちになり医療を受ける機会が多くなります。

 しかし、5倍という数字ははたして妥当なものでしょうか?諸外国の場合は3倍程度ということですので、わが国の場合は際立って高いようです。老人医療費の合理化、適正化は緊急の課題となっています。

 それでは、老人医療費はどのような形で支払われているのでしょうか?老人医療費は、社会全体で支えていくという趣旨から、健保組合をはじめとする各医療保険制度からの拠出金でまかなわれています。これを老人保健拠出金といいます。

 老人医療費負担の内訳は、各医療保険制度からの拠出金が原則7割、国・都道府県・市町村の公費負担が原則3割となっています。老人保健拠出金の負担は、老人医療費の増加により、年々加重なものとなり、各医療保険制度の財政を圧迫してます。

 平成13年度の財政予測でへ健保組合の約9割が赤字で、「拠出金」の保険料収入に占める割合が4割を超える見通しとなっています。4割というのは全体で見た割合ですので、なかには5~6割を超える組合もあるのです。これでは、収入の大半が拠出金で持っていかれてしまうのですから、自分たちの医療費を支払うことにも無理が生じ、健保組合本来の目的である加入社のための健康づくり事業など到底できないことになります。

 現行の拠出金は国の税金のような実態があるにも関わらず、保険料として徴収されているところに問題があります。しかも避けられない老人医療費の増加を反映して毎年自動的に負担増が発生する仕組みになっています。老人保健拠出金は廃止されなければなりません。

 そのうえで、老人医療費の負担を国民全体で公平に支える仕組みを作っていくべきです。国民の健康づくりに寄与してきた健康保険組合をなくすようなことがあってはなりません。経営努力が報われるような本来の姿を是非取り戻したいものです。


・介護保険を上手に利用しましょう。

 介護保険は家族だけて行うには厳し過ぎる高齢者の介護を、社会全体で支えることを目標にしたもので、これまで扱われてきた公的な措置という扱いから「契約」という考え方が取り入れられ、利用しやすく、公平で効率的な社会支援システムとして昨年度発足した国の制度です。

○ 介護サービスが受けられる人

 65歳以上の人(第1号被保険者)は、寝たきり、痴呆などで、入浴、排泄、食事などの日常生活の動作について、常に介護が必要な状態にあるか、その状態になるおそれのある場合に、介護保険での介護サービスがうけられます。  40歳以上65歳未満の人(第2号被保険者)は、脳血管障害や初老期痴呆等特定疾病によって介護などが必要となった場合に介護保険の給付がうけられます。

○ 利用者の負担額は

 要支援、要介護の認定を受けて介護保険の介護サービスを受ける人は自己負担として費用の一割を支払います。
 なお、利用者負担の上限は37,200円(市町村民税非課税24,600円、福祉年金受給者は15,000円)となっております。「施設での食事、日常生活費は除かれます。」

○ 介護保険で受けられるサービス

 介護保険の範囲で、どんな介護サービスをどんな事業者から受けるかはケアマネージャ(介護支援専門員)に相談にのってもらって介護を受ける人自信が「契約」によって決めることができます。

 ※介護サービス計画(ケアプラン)の策定

  ケアマネージャー(介護支援専門員)に相談すると、費用を負担せずに、本人や家族と共に本人の心身の状態や希望、家族の状況 にあった居宅サービス計画(ケアプラン)が作られ、確実に利用できるようになります。






訪問介護(ホームヘルプサービス)
ホームヘルパーが家庭を訪問し入浴、排泄、食事の補助などの日常生活の世話をします。
訪問入浴介護
浴槽を積んだ入浴車で家庭を訪問し、入浴の介護を行います。

訪問看護
看護婦等が家庭を訪問し、看護を行います。

通所介護(デイサービス)
デイサービスセンターで食事、入浴、機能訓練などを行います。
通所リハビリテーション(デイケア)
介護老人保険施設、病院、診療所で食事、入浴、機能訓練などを行います。
短期入所生活介護(ショートステイ)
特別擁護老人ホームなどに短期入所し、医療や介護を受けられます。
福祉用具の貸与
特殊寝台、車椅子、リフト、などの介護に必要な用具の貸し出し受けられます。
在宅(居宅)介護住宅改修費など
手すりの取り付け、段差の解消などの改修費の支給をうけられます。






介護老人福祉施設(ホームヘルプサービス)
常に介護が必要で、在宅での介護が困難な方が入所します。
介護老人保健施設
病状が安定していう方が家庭に戻れるように、リハビリや看護を中心とする医療を受けるために入所します。

介護療養型医療施設
病状が安定しており、医療の必要性が高いなどの理由で長時間にわたる療養が必要な方が入院します。

○ 介護サービスの利用法

 介護保険の介護サービスを利用するためには、介護や日常生活に支援が必要である状態であることなどについて認定(要介護認定)を受けることが必要です。住んでいる市町村に申請書を提出し、どの程度の介護が必要であるか判定してもらいます。
 その結果要支援、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5の6段階に分けて認定されます。
 この認定区分により、介護保険で受けられるサービス内容等が決められます。


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